恋愛白書
「お待たせ!」

「やしな!長かったね!大丈夫?」


光が心配そうに走ってくる。


「うん!ゴメンね!」

「やしな遅いからもう集合場所に向かう時間だよ」


まちゃが時計を見せてくる。


「あららー。残念」


あたしは極めて明るく振舞った。
じゃないとまた泣いてしまいそうだったから。


「やしな。これ」


神谷くんが何かをあたしに渡す。


「なに?」

「トラピストクッキー。買えなかったろ?」

「え。いいの?」

「いいよ。俺からのプレゼント!」


神谷くんはそれだけ言うと前を向く。


照れてるのかな。

でも。
嬉しいな。


「ありがとう!」


あたしは神谷くんの前に走って行く。


「お。おう!」


神谷くんはどこか顔が赤くなっている。


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