恋愛白書
「あぁ。もうダメなのかな」


その場に座り込む。


ポケットに手を入れるとピックの感触。

これを買った時はまだ仲良かったよなぁ。
この幸せがずっと続く。
勝手にそう信じてた。

それはあたしだけだったの?

どうして最近はあたしのこと見てくれないの。
あたしにちゃんと顔を見せてくれないの。


『もう離さない』


ねぇ、あれはうそだったの?
そんな簡単になくせるような言葉だったの?


あたしは離して欲しくないよ。
隣にずっといてほしいのに
どうしていま、あなたは
ほかの人に抱きしめられてなんかいるの?

あたしに触れてよ。
もっと触れてほしい。

もっと丈に近づきたい。

好きだから。


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