恋愛白書
「じゃあ次は高校の宿泊か」

「え?」


俺の言葉に顔をあげる。


「俺はいつかまたって思ってるから」

「…丈」

「わかってるだろ?俺が諦め悪いって」


やしなの頭を撫でる。


散々絵里香に恋してたんだ。
やしなにだって散々恋してやるよ。


「でも、あたしがだれかのこと好きになるかもしれないし」

「それでも諦めないことも知ってるよね?」


俯くやしなをこっちに向かせる。


「…知ってる」

「でしょ?」


俺はもう1度やしなを抱きしめる。


あんな叶わない恋だって。
できたんだ。

やしななんてまだはじめたばかりだし。
やしなに好きなやつで来たって
好きでいる自信ある。


俺が好きだから。
いつでも帰ってきていいんだから。

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