恋愛白書
「待って!違うの!」


やしなが俺の服の裾を引っ張る。


「気にしなくていいよ。俺ら別れたんだから」

「そうだけど!」

「でもいちゃつくのはえーな」


俺からは乾いた笑いがでる。


「違うの!」


やしなの言葉にイライラしか感じない。


あぁ。やっちゃいそ。


「違わねぇだろ!?」


俺の荒らげた声にやしなの肩がびくっとなる。


「おまえ、モリーとか虎ともイチャイチャしてんじゃん」


思ってもいないことが勝手に出てくる。


「は?」

「だってそうじゃん」

「それは自分でしょ!?」


やしなも声を荒らげてくる。

ここまで声を荒らげるやしなは初めてかもしれない。


「責任転嫁すんなよ」



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