恋愛白書
「じゃあどうして?」

「え?」

「篠原さんの告白に返事しないの?」

「は?」


やしなが何を言ってるのかわかんない。


「保留にしたんでしょ?告白されたの昨日の夕飯のときだよね?てことはあたしと別れる前だよね?」


ゆっくりとぽつりぽつりとやしなが話す。


「…何言ってんの?」

「保留にされてるって言ってたもん!」


やしなの目に涙が溜まってるのがわかる。

また俺が泣かせてるの?


「俺、行くところあるわ」


やしなに背を向けてはしる。


あ、携帯。


LINEの画面を出して、ホテルのロビーに呼び出す。


「丈くーん」


語尾に♡でもついてるような
甘い声ですぐに篠原が歩いてくる。


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