恋愛白書
「ねぇ!みて!」


智香があたしに手を見せてくる。


智香の指に輝く指輪。


「智香!もしかして、マサ!?」


あたしの言葉に智香の顔が赤く染まる。


「やったねー!マサと智香ずっと両思いなのしってたんだからー」


智香の頭を撫でる。


「やしなは?あのなかの誰か?」


智香がこそっと耳打ちをする。


「…前にね、付き合ってた」


智香の耳にこっそり返す。


「そっかぁー。じゃあもうタケのことは好きじゃないのか」


〝タケ〟


その名前に懐かしさを覚える。

小さい頃からずっと
大好きだった人の名前。


「そう、だね」


完璧に好きじゃないと言えば嘘になる。
でも、確実に丈のことのほうが好きだからを



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