恋愛白書
「あれ?やしなちゃん?」


そんな声がふと聞こえてきて、顔をあげる。


「え!?神谷くん!?」


一緒に来ていないはずの神谷くんが立ってて思わず立ち上がる。


「びっくりしすぎでしょ」


神谷君がくすくす笑ってる。


「なんで神谷くんがここに!?」

「俺のばーちゃん家厚岸なの」

「そうだったんだ!びっくりした!」


そんな風に話してるとツンツンとお腹のあたりを突っつかれる。


「ちょ、タケ!」


あたしはタケの手を取る。


「誰この人」


神谷くんが首を傾げる。


「あたし、中学入学前まで厚岸にいて。幼なじみ」

「ふーん」


あたしの答えにまじまじとタケを見る。


「せっかく丈と別れてるのにまたライバルか」


なんて言葉を発する。

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