恋愛白書
「神谷くん!やめて!」


あたしは丈から神谷くんを引き離す。


「お前こいつよりやしなにふさわしいな」


タケが神谷くんに歩み寄る。


「…どーも」


神谷くんが照れくさそうに返事する。


「…俺は相応しくねーよな」


丈がそのままあたしたちに背を向ける。


「…丈」

「追わなくていいの?」


智香が心配そうな顔になる。


「行く」

「待てよ。あいつとじゃ幸せになれねーよ」


タケがあたしの腕を引く。


「あたしは丈とじゃなきゃ嫌なの!」


タケの腕を振り払う。


「後悔してもしらねーよ」

「いま行かないほうが後悔するから」


それだけ言うとあたしは走り出す。


…丈が好き。
その気持ちだけでいいんだ。

あたしをおもってくれてるのならば。
あたしは彼と一緒にいたい。


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