恋愛白書
「よし!拾った!」


自慢げにたちあがる。


…んな自慢することかよ。


「そんぐらい普通だろ!」


マサってやつがキッチンの方にいつの間にか行っていて。
こいつの頭をなでている。


「当たり前のことで威張るとか」


智香ってやしなの幼なじみの女の子も笑ってる。


やしなもいつの間にか立っていて。
なんか三人の間にしかわからない空気が流れているようで。
すっごく嫌だった。


やしなとわかれたとき
旅行ごとにくっついたり離れたりしてるからって
おれはこの旅行にかけようとおもった。

少しは素直になりたいもんだ。

少なくとも
やしなの隣に今いるあいつは
素直だと思う。


俺も素直になりたいと思うのになれないんだよな。

やしなを傷つけてしまう。


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