恋愛白書
「あ!あたしいとこ迎えに行かなきゃなんだ!」


智香が急に立ち上がる。


「まぁ、よーく考えて?やしなのこと傷つけるなら迎えにいかないで」


智香にそう言われ
考えてしまう。


「お前さ、ほんと素直じゃねーよな」


虎が俺の顔をのぞき込む。


「…なんだよ」

「タケってやつめっちゃ素直だよな?」

「そうだな」


ああいうやつとだと幸せになれるんだろうなって思う。


「こっちにいる間、あいつらは両思いだったんだよ」


マサがぼそっとつぶやく。


「…っ」


なんとなく分かってた。
あいつが初恋なんだろうなって。



「だから、傷つけない自信がないならタケに譲って」


マサが真剣な目になる。


「それは…」

「マサに譲れないなら傷つけないって約束してくれ」


こいつはほんとに友達おもいなんだろうな。


「わかんない。でも、譲りたくない」


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