恋愛白書
「丈!?」


気がついたらやしなを自分のほうに引き寄せてた。


「あんま触んな」


タケを睨みつける。


「ど、どしたの丈」


腕の中で戸惑ってるやしな。


「やだ。やしながほかの男に触られんの」


やしなの顔が赤くなるのが分かる。


━━グイっ


「あんま気分でそういう事言うなよ」


神谷に腕を引っ張られる。


「…気分なんかじゃねぇよ」

「だってお前、別れてからずっと無視してたじゃねぇかよ!」


神谷に胸ぐらを掴まれる。


「どうしたらいいかわかんなかったんだよ」


俺は馬鹿だから。
素直になれないから


「は?お前1度でもそのときのやしなの顔見たのかよ!」

「は?」

「お前に無視されて傷ついた顔してるやしなの顔!お前は1度でも見たのかって聞いてんの!」


傷ついてる顔。


俺はちらっとやしなに目をやる。



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