恋愛白書
「神谷くん!やめて!」


やしなが俺と神谷を引き離す。


「お前こいつよりやしなにふさわしいな」


タケが神谷に近づく。


「どーも」


神谷も照れくさそうに返事する。

ふさわひいからってお前を好きなわけじゃねーよ。
とかこの場に及んで思ってしまう俺だからダメなのかな。


「…俺は相応しくねーよな」


俺はそれだけ言うとみんなに背をむける。


「丈!」


やしなの声がきこえたが
そのまま歩いた。


あの家に帰る気にもなれないから
俺はこのまま海岸沿いをあるくことにする。


俺じゃあやしなは幸せになれないんだよな。
だったら潔く身を引くべきなのかもしれない。

好きだから。
相手の幸せを考えるから。

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