恋愛白書
「お待たせ!!」


あたしは二人が座っているところのカバンを置く。


「遅いっすよー」

「作業に入りましょ!!」


二人ともそれぞれ言葉を発する。

二人の二年生の男子。
柴田海人くんと境龍くん。


「ていうか、柴田!!アンタ昨日サボったんだから文句言う筋合いないし!!」


柴田の頭を叩く。


「わー!!ごめんなさい!!」


柴田があたしから逃げ回る。


「黒のタワーがいい!!」


あたしはそう叫ぶ。


「マジっすか?先輩暗いんですね」


柴田がクスクス笑う。


「違う違う!!なんかかっこいいじゃん!」

「ほんとにそれだけですかー?」


境が疑いの目で見る。


「ただ、好きなバンドのイメージカラーなだけなんだけどさ」


そう。
あたしがってより丈がバンドをやっていて。

〝スタディイレブン〟

っていうバンドを目指してるんだ。

丈と同じものを好きになりたいの。


< 377 / 447 >

この作品をシェア

pagetop