恋愛白書
「サナー。とりあえずまとまったからこのへんで帰るねー」


あたしはサナにプリントを渡す。


「お疲れ!」

「サナはまだ?」

「まだ終わってないとこあるからねー」


サナが面倒そうな顔になる。

委員長は大変だ。
他の人が帰るまで帰れないもんね。


「なんか手伝おうか?」


一人のサナが心配になった。


「いいよ!!気にしないでっ!!杉森待ってるでしょ?」

「あはは…ごめんね」


サナの言葉に照れ笑いしてしまう。


「いいよ!!やしなだっていっつも柴田くんサボったりして大変なんだから」


サナがまだ教室にいる柴田を見る。


「ほんとにね!!アイツは!!」

「でも三人でいっつも仲良しでよかったよ。大山さんは学校きてないしさ。やしなが心配だったんだよね」


…サナ。
サナは何でこんなに友達思いなのかな。


「ありがとう。でも二人ともイイ奴らだから。大丈夫!!たまにサボったりするけどねっ」

「だねっ!!やしなが大丈夫ならよかった。あ。ホラ。帰らなきゃ!!杉森待ってるよ!!」


サナがあたしの背中をぽんぽん叩く。


「うん。またね!!」


サナに手を振ってカバンを手に取る。

丈のところに早く行きたい。
そんな思いがあたしを早歩きにさせる。


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