恋愛白書
「丈!!お待たせ!!」


体育館の入り口で丈の背中に向かって叫ぶ。


「おう!!」


丈があたしの声にこちらを向いて片手を上げる。


「じゃあ俺帰るからなー!お前らも早く帰れよ」


丈は後輩にボールを投げる。


「ありがとうございましたー」


後輩のうちの一人が丈の投げたボールを掴む。

って祐樹だし。


丈は後輩に慕われてるよな。
後輩思いだしね。

こんなところも素敵だ。


あたしは引退してからまったく部活に行ってないなー。


「帰ろ」


制服の上着とカバンをもって歩いてくる。


「うん!!」

あたしが返事をすると自然と丈が手を握る。

この瞬間が幸せだ。


「ん?どうかした?もしかして汗で手べたつく?」


あたしが丈を見つめているのに気づき、焦った顔になる。


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