恋愛白書
「あ。丈!」


丈が走っている。

丈が今、フィールドを駆け抜けている。

他を寄せ付けない走りでぶっちぎり。

あたしは何も話せなくなり、丈を目で追う。

早い…。
すごく格好いい。

この足があれば
丈はあたしのスーパーマンになれるよ。
心配いらないよね。

何があっても助けてもらえるよ。
頼りになる、スーパーマン。


丈は当然の結果のように、このブロックで1位だった。
丈の走りはすごい。
こりゃ優勝は間違いない。

丈の走りで何人が丈に恋したかな。
なんて考えちゃう。

丈ってスポーツしてる姿が一番格好いいの。
あたしが好きになった丈もバレーボールをしている丈だったよね。

そんなことに浸ってる場合ではないんだった。
指輪探さなきゃ。


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