恋愛白書
「やしな今日委員会だよねー?」


光の声が教室に響く。


「うん」

「がんばってね!」


しばらくなかった委員会が今日からまたあるらしい。



「丈くん、帰る?」


篠原に声をかけられる。


「んー。部活行くわ」

「じゃあ下まで一緒に行こう」

「ああ」


癖だな。
やしなが委員会だと部活で待つっていう癖。
いや、やしなはきてくれるかもしれないって言うかすかな希望かな。


「丈帰んの?」


虎に声をかけられる。


「いんや。部活行く」

「なんで?」

「なんでって体なまりから」


虎がふと考えこむ。


「虎?」

「いや、やしなが委員会のときだけなんだと思って」


虎がニヤっと笑う。

こいつ気づいてやがる。


「余計なこというなよ」



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