恋愛白書
「だからって神谷くんとは付き合わないよ」

「んなの、もう期待してねーよ」


あたしの頭をぐしゃってやる。


「神谷くん」

「なんか見てらんねぇの。お前のことやっぱ好きだからさ」


神谷くんが公園に入っていく。


「…ここ」


丈と付き合い始めたころよくきていた。

最近はあんまきていないけど。


「あ」


神谷くんが顔を上げる。


「…あ」


神谷くんが見ていた方向には丈が歩いてく姿。


「今日は丈部活いかないんだね」

「行かないだろーなとは思った」

「え?」

「行くのって、やしなが委員会あるときだけだよ」


神谷くんの言葉に胸が熱くなる。


「ど、して」

「さぁな。待ってたいからじゃね?昨日もいたしな」

「でも、もうずっと一緒になんか帰ってない」

「待ってんじゃね?ずっと」


あたしの脳裏にはバレーボールをする丈の姿。


< 418 / 447 >

この作品をシェア

pagetop