恋愛白書
『ほんと不器用』


電話の向こうで丈が笑う。


「いつになったらこれ終わるんだろ」

『やしなのことを諦めたら終わる』

「は?」


諦めれるわけ


『無理だよな』

「だな」

『まぁ、あの二人が付き合うとかないと思うよ』

「だといんだけど」


クラスであの二人がいるの見るの正直きつい。

だいたい席だってなんのいたずらだよ。


『まぁ、素直にすぐになれないだろうから時間かけてもいい』

「うん」

『でも、傷つけるな』

「ああ」

『ちゃんと話せばやしなならわかってくれる。お前のこと大好きだからなあいつ』

「気持ちがちゃんとあるうちに…だよな」

『いつ心変わりされてもおかしくないもんな。お前』


虎との電話はそんなことを話して終わった。


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