恋愛白書
「やしな!」


俺の言葉も無視して教室から飛び出す。


「まーたなにやってんの?」


虎が俺の頭を叩く。


「なんで知ってんだよ」

「いや、あんな大声でやりあってたら聞こえるっつーの」

「大声はやしなだけだし…」

「そんなのどーでもいい」


虎の顔がまじめな顔に変わる。


「いい加減にしろよ?俺言ったよな。傷つけるなって」

「あぁ」


わかってる。
俺がやってることはやしなを傷つけることでしかないって。

でも、なんでかわかんねぇけど。
勝手に動いちまうんだよ。


「その癖どうにかならんの?」


神谷が俺を見る。


「癖?」

「やしなに悪態ついちまう癖」

「え?」


こいつなんでわかって…?


「わかるよ。お前全部本当に思ってなんかいないだろ」

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