恋愛白書
「やしなのこと笑わせてやってよ」

「虎ってやしなのこと好きだろ?」

「は?」


俺の問いに少し頬を赤らめる。


「最初からわかってたよ」

「は?」


さっきから同じ言葉しか言わない。


「やたらやしなのこと見てるし」

「そりゃ友達だから…」

「ま、どっちでもいい。やしなは俺のだし」

「お前なぁー!」


虎に頬をつねられる。


「痛いし」

「そんな言うならちゃんと捕まえとけよ」

「やしなどこまで行ったかな」


俺は廊下をちらっと見る。


「近くにはいなそうだな」


虎がはぁってため息をつく。


「まじで俺らの空気悪いから、早く仲直りしろ」

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