恋愛白書
「今日はちょっと部活やったら、帰られないようにやしなのこと待つよ」


それだけ言うと荷物を持って立ち上がる。


「はやく元に戻れよ」


虎の声に片手を上げて応える。


無性にやしなに触れたかった。
早くあって気持ちを伝えたかった。

もうやめたんだ。
素直じゃないキャラはいらない。

ちゃんと自分の気持ちを
自分の口で伝える。

そして、もうほんとに離さない。

好きだから。
ちゃんと好きだから。

そんなことを考えながら体育館についた。
 
まだ誰もいない体育館。
後輩より先に引退したヤツがくるとか
どんだけ気合入ってんのってな。

ここの体育館で
やしなのバドミントン部と
交代で使っていた。


『丈、お疲れ』


って毎日言われるのが嬉しかったんだよな。


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