恋愛白書
「やしな!」


教室にも戻ると心配そうな顔をした虎に迎えられた。


「丈は?」


あたしは虎に駆け寄る。


「丈?体育館に直行したよ」

「部活、か」

「ってか、大丈夫か?」


虎があたしの顔を覗き込む。


「うん!大丈夫。委員会行ってくる」


机からカバンをとって教室を出る。


本当はいますぐ体育館にいきたかった。

でも、委員会があるし。
今日で完成できそうだから。
完成したら残らなくていいから
また丈と帰れるしね。


「先輩!」


歩いていると後ろから声をかけられる。


「あ、柴田」

「お疲れっす」

「ちゃんときたのね」

「いや、最近サボってないんですけど」


柴田の反応に笑ってしまう。


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