恋愛白書
「先輩、笑いましたね」


柴田は突然まじめな顔になる。


「柴田?」

「最近元気ないから」

「ごめんね。心配かけて。でももう大丈夫」


委員会の教室にたどり着いたのでそのまま入る。


「あーきたきたー」


すでに境は着いていたみたいで片手をあげている。


「よしラストスパートがんばろ!」


あたしの言葉にふたりとも作業にかかる。


これができたらあとは設置するだけ。

文化祭はもうそこまできていた。


「先輩は彼氏と回るんですか?」


手を動かしながら柴田が聞いてくる。


「先輩彼氏いるんだ!」


境もそれに反応する。


「うん。彼氏とだね」


約束したわけじゃない。
でも、今日仲直りするから絶対。

だから絶対丈と回るんだ。

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