恋愛白書
「サナー、終わったけど手伝おうか?」


作業が終わって、サナのいる教卓に向かう。


「やしなは体育館いきなよ!」

「え?なんで?」

「仲直り、したいんでしょ?」

「え?なんでそれ…」


サナは隣のクラスだし。
知らないはず。


「杉森に委員会の予定いっつも聞かれてたよ」


サナがクスリと笑う。


「え?」

「委員会あるたびに部活出てるの知ってる?」

「神谷くんから聞いた」

「委員会のスケジュール知ってるからだよ」


サナがあたしの手をとる。


「やしな。早く仲直りしないと。来週文化祭だよ」

「ありがとう。サナ」


あたしは荷物を持つ。


「先輩、一緒にしたいきましょー」


柴田があたしに声をかける。


「うん」


返事をして教室を出る。


「あれ、先輩」


柴田が立ち止まる。


「どうしたの?」


あたしは顔を上げる。


視線の先に見えてきた姿。


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