恋愛白書
「やしな」


あたしを丈と向かい合わせる。


「…丈。大好き」


たまらなくなってそう告げる。


「…え?」


丈の目が見開く。
予想外の言葉だったみたい。


「どんな丈でも好き。それが丈なんだもん」

「俺、やしなのこと傷つけてばっかだよね。それでもいいの?」


丈があたしの頭に手を乗せる。


「素直じゃない丈が好き。それが丈だもん」


丈に抱きつく。


「俺もやしなが好き」


丈があたしをぎゅっと抱きしめてくれる。


やっと聞けた。
丈の気持ち。


「もー!このまま丈とどうなっちゃうんだろうって思ったんだから!」

「ごめんな。あ、」


丈が思い出したようにポケットの手を入れる。


「これ」


あたしの右手の薬指の指輪をつける。


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