恋愛白書
「やしなからこれ返された時。何やってんだろうって思って。でも素直になれなくて」


後ろから聞こえる丈の声は少しかすれてて。
甘いんだってことがわかる。

丈の気持ちがひしひしと伝わってくる。


あたしは丈の手を握る。

「でも、こうしてまた丈の隣にいれる」

「ああ。よかった」


丈のあたしを抱きしめる腕に力が増す。


━━クルッ


丈があたしをまた半回転させ、自分の方に向かせる。


「やしな、好きだから。今度こそ離さない」


━━チュッ


丈の唇があたしの唇に振れる。


「…ッ」


軽いキスからだんだんと深いキスに変わっていく。


「…ンッ」



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