恋愛白書
「あいつが好きなのは悠里じゃないからそこまで落ち込まなくて大丈夫」


虎があたしの頭を撫でる。


「じゃあ、なに?」

「あのふたりはいとこ」

「え!?」

「な?やしなの考えとは全然違うだろ?」

「…うん」


…よかった。
諦めなきゃと思った。

好きな人が知らない人なら
全然頑張れるの。


「ありがと!虎!」


あたしはそう言って立ち上がる。


「丈、びっくりしてたよ」

「…そりゃそうだよね」

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