恋愛白書
「虎の彼女じゃなくて、丈の彼女!?」


絵里香さんがにこにこした顔であたしを見る。


「…ち、ちがいます」

「…困ってるだろ。見すぎ」


杉森くんがあたしの顔の近くから絵里香さんを離す。


「だってー丈前に言ってた好きな人と付き合ったのかなって思ってさ!」

「ここでその話はやめてくれよ」


杉森くんがダルそうに言う。


「つーかなんで絵里香2年の廊下にいんだよ」

「丈いるかなーって思って!」

「そりゃいるだろ。俺2年だし」


杉森くんが目を細めて、笑う。

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