恋愛白書
「ほかの人がわかるかどうかはわからない」

「え?」

「あたしは好きになってからずっと見てきたから」


彼女の言葉におれの顔が赤くなっていくのがわかる。


「そ…」


━━キーコーンカーンコーン


俺の言葉を遮るようにチャイムが鳴る。


「…戻るか」


おれは言いかけた言葉をしまいこんで
教室に向かって歩き出す。


やべぇ。
今のはやばいって。


思わず云ってしまうとこだった。
もう少し仲良くなりたいのに。


"それなら俺と..."


俺はそういってしまうところだった。


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