恋愛白書
「...やしなちゃん」


そう口にしただけで顔が綻ぶのがわかる。


「重症だね」

「え?」

「名前呼ぶだけでにやけるなんて。よっぽどだよね」

「うるせーよ」


俺は絵里香の肩を叩く。


「てか、もう俺のこと好きじゃないと思うんだ」

「てか、丈のこと好きだったの?」

「みたい。俺が好きになったのが遅すぎたんだよ」


俺は天井を見つめる。


「なんでそう思うの?」

「...噂」


俺はそれだけいってため息をつく。


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