チューリップ
「キーンコーン…」
青空の下で眠りに落ちそうになっているところをチャイムによって妨げられる。
今日は終業式だけのはずだからもう全員帰ってるだろう。
俺は教室へ向かった。
というか気づけば足が向かっていた。
ただ梨華の面影を感じたかった。
3年6組というやっと見つけた自分の居場所に行きたかった。
ただそれだけだった。
この後に起こることがわかっていたなら
俺は教室になんか行かなかった。
あんな思いを
させることはなかったはずだったのに…