チューリップ
及川が持っているのは俺宛の梨華の手紙…。



梨華の字だとわかった瞬間、胸がズキッと痛んだ。



「あの日…梨華が階段から落ちた日に、梨華の鞄の中にあったのを見て、でも梨華が渡すんだろうなと思って戻しといたら


その後…2つに破かれて病室のゴミ箱に入ってた。



余計なお世話なのはわかってる。


でも川崎君に読んでほしくて。



梨華の本当の想いを。」



手紙はよく見るとセロハンテープでとめられていた。


きっと及川がくっつけたんだ。




でも梨華は俺に読んでほしくないから、病室で捨てた。



その想いを今俺が読むなんて…


そんな資格俺にはない。



梨華を自ら遠ざけた俺が、今更受け取るなんて出来ねぇよ。
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