チューリップ
大切なもの 〜リュウ〜
あのとき、確かに俺の人生に光が射した。
お前が現れて、生きていくことを諦めかけていた闇の中に、一筋の光が射したんだ。
でも、その光は腐りかけていた俺の心には眩しすぎた。
眩しすぎて、俺はその光から目をそらした。
本当は光の先に行きたくて
光を手に入れたくて
闇から抜け出したくて
仕方がなかったのに
光に近づいてしまったら
影に飲み込まれてしまいそうで怖かったんだ。
でももう目をそらしちゃいけないんだ。
背を向けて後ろを見たって
あるのは闇と影だけ。
もう遅いかもしれない
でももう一度光を見たいから。
だから梨華、
今もう一度
お前に思いを伝えるよ
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