チューリップ
梨華の家は学校から遠くはないけど、松葉杖をついて帰るには時間がかかるはず。だからきっと梨華に追いつく。
そう思っては知っていたが梨華の姿は見あたらなかった。
間に合わないか…
もうあの曲がり角を曲がれば梨華の家につく。
俺はスピードを上げた。
心臓がいろんな意味で壊れそうなほど高ぶっている。
梨華の住んでいるマンションが視界に広がった。
それと同時にもうひとつのものが目に飛び込んでくる。
「梨華!!!」