チューリップ
「でもダメだった。


もうお前は俺の中から出て行かなくて

目を背けることなんてできなかった。



お前がいてくれたから今俺は生きてんだ。


ありがとう。」



梨華は手で顔を覆いながら小さく首を振った。

手からは滴が1粒ながれていて、太陽に照らされきらきらと光っている。




「やっぱなかったことになんかできねぇよ。



お前がどんな気持ちであろうと

俺の気持ちは変わんねぇんだ、今もこれからも。



お前を愛してる。」
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