チューリップ
今梨華が俺の腕の中にいる
梨華に触れているという事実に今更ながら心臓がせわしく動き出す。
気持ちを伝えるのに必死であんま実感してなかったけど、
梨華は俺を受け入れてくれたんだ。
じわじわと胸に嬉しさがこみ上げてきて、無意識に梨華の背中に回している手に力が入る。
「私が…本当にリュウを好きでいていいの?」
「当たり前だろ!」
涙声で聞く梨華の頭をなでると俺の体に回している梨華の手にも力が入った。
「リュウ」
「何?」
「ずーっと大好きだよ
今も、これからも。」
俺の肩に埋めている梨華の顔をそっと離した。
梨華の目にたまる涙を拭う。
顔を赤くして微笑む梨華に触れるだけのキスをした。
そして俺らは遠ざかっていた距離を埋めるように、愛を確かめ合った。
梨華の体には無数の傷跡があって、残酷な過去を物語っていた。
でも、今の俺たちに
過去なんて関係ない。
今、梨華を愛してる。
今、梨華に愛されてる。
今を生きてるんだから。