チューリップ


「望みのない恋…」

「え?」

「黄色いチューリップ。」


黄色い…チューリップ?

「陽介君さすがだなー!」



寝ていた梨華がふと起きて何を言うかと思えば…意味わかんないし

なんか1人で笑ってるし。


俺は梨華の茶色く長い髪で遊びながら脳みそをフル回転させる。



「花言葉なんだろ?」

「うん、黄色いチューリップのね。」

「色で花言葉変わんのか?」

「やっぱり…!

それ、陽介君に聞いたんでしょ?」

「?あぁ。」


フフと笑っている。
どういうことなんだ?


「私ね、チューリップが大好きなの。

その花言葉も。


で、黄色いチューリップは望みのない恋。


でも私が好きだったのは、赤いチューリップの花言葉。」


赤いチューリップ…?


「それはね、


愛の告白。


憧れてたんだ。

リュウに、気持ちを伝えたくて。」



愛の告白…?


思いもしなかった梨華の言葉に顔が赤くなるのがわかった。


ってことは初めから梨華は望みのない恋だと思ってはなかったのか…?



もしかして陽介…

初めから知ってて
俺に告らせるために
望みのない恋とだけ言ったのか…?



梨華はまだ声をあげて笑い続けている。



「あいつ…ハメやがった…。」



あの状況で俺をハメるとは


陽介恐るべし…
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