チューリップ
「それにしても、本当に良かったよ。梨華達がまたこうなってくれて。
大変だったでしょー?」
茉莉は私たちの目の前に広がっている夕日に目をやりながら私に問いかけた。
「うーん、まぁねー。リュウをたくさん悩ませたし、傷つけちゃった。
でも、今はそれがあったからこそだなって思う。」
茉莉はにっこり笑いってうんうんとうなずいている。
「2人ともよく乗り越えたね。頑張った頑張った!」
茉莉が私の頭を優しく叩く。
茉莉がいなければ絶対に乗り越えることはできなかった。どれだけ感謝してもしきれない。
こんな風にまた笑えるようになるなんて、想像もしてなかったよ。
ありがとう、茉莉
「ただいまー!」
「おかえり!今日のご飯は何?」
「夏と言えば…
やっぱ餃子でしょ!!」
「全然夏関係ねぇし…。」
「はいリュウちゃん夕飯抜きね。」
「っだからその呼び方やめろって言ってんだろ!!」
またもや定番となりつつあり茉莉とリュウの争いに自然と頬がゆるむ。
陽介君も2人を見てハハと笑っている。
「じゃあリュウちゃん達のために腕を振るいますかー!」
「梨華までやめろ…。」
夕食の間も、みんなの笑いが絶えることはなかった。