チューリップ


「ではお邪魔しましたー。」

「また明日ね!」

「じゃあな。」


「うん、明日も待ってるね。」



夜10時を過ぎて、3人が帰るのを見送る。


さすがにこの部屋に4人で寝るのはあまりにも窮屈なので、3人には帰ってもらう。


みんなに手を振ってみんなの背中が見えなくなってから自分の部屋に戻った。



4人分の食器がキッチンの流しに乱雑に並べてある。


「今日も多いな〜。」


1人の時では考えられない食器の量に少しめんどくささを感じながらも顔はにやけてしまう。


あんなに賑やかな食事は何年ぶりだろう…


そんなことを考えながら食卓に目をやると、なぜかそこにはケータイが2個。



「これは…リュウのだ。」


なにもストラップをつけていない黒いケータイを手に取る。


ケータイ置いてかれたら連絡取れないし…

家電の番号は知らないし、勝手に人のケータイはやっぱり見れない。





「よし!!!」




届ければいいんだ!!



そう思いついた30秒後、私は勢いよく玄関を出た。
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