チューリップ
「ありがとな。」
「へっ?」
予想外のリュウの言葉に思わず変な声を出しちゃった。
「いや、何でもない。」
「えー?何!?」
『ピンポーン、ピンポーン…』
この音は…
誰か来たのかな?
「はぁ…誰だよ…。」
リュウはめんどくさそうにベットから立ち上がって部屋を出ていった。
たるそうに歩くジャージ姿にまでドキドキしてしまう私は…重傷だ…。
「はぁー……。」
大きく息を吐き出しベットにバタンとまた上半身を倒す。
昨日、暖かくて大きなリュウに包まれながら、決めたことがある。
それは
リュウの父親を捜すこと。
お節介なのも、
リュウにとって迷惑でさえあるかもしるないことも、わかってる。
でも、
親を失う苦しさは私が一番わかってる。
生きているのに、わかり合えないなんて悲しすぎる。
リュウがそうだったように
生きていれば
絶対に何度でもやり直せる。
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