チューリップ
周りには誰もいない。
あるのは闇だけ。
必死に走っても
叫んでも
光はなかった。
『あなたは誰?』
『なんのためにここにいる?』
どこからか聞こえてくる声に頭は割れそうになる。
「死にたい。」
そうつぶやいた瞬間
「梨華ちゃん!?大丈夫!?」
目の前には見覚えのある男の人の顔。
心配そうに私を見ている。
周りを見渡すと見たことのない落ち着いた部屋。
黒と白しか使われていないまるで男の人の部屋みたいな感じ…。
男の人?
男の人の部屋?
『ガバッ!』
やっと頭が働いてきて、急いで起きあがった。
私は夢を見ていたようだ。
「ずいぶんうなされてたよ。夢でも見てた?
教室で倒れちゃったから、俺の家に運んできたんだ。
何にもしてないから安心して♪」
やっと思い出した。
私教室で気を失ったんだ!!