チューリップ


私が教室に入るとざわついていた教室が少し静まり、視線が私に集まる。



教室を見渡すと変わることのない皆の顔があって自然と顔が和らぐ。


もちろん、一番後ろにはリュウの姿が、その前には陽介君の姿があって、目が合うと微笑んでくれた。



「おはようございます!!!皆久しぶりだね!!」


「梨華ちょっと見ない間に太ったんじゃなーい?」

いきなり毒舌の菜々子ちゃん。

「嘘!?確かに少しお腹がきついような…。」

「梨華はそれでも可愛いからヘーキだよ。」

にこにこしながら言うのは隼くん。

「本当!?」

「きしょ…」


菜々子ちゃん以上のもはや致死量に至る毒舌っぷりのリュウ…。

クラスの皆も笑ってないで慰めてよー…。
< 166 / 265 >

この作品をシェア

pagetop