チューリップ


岩城先生の言葉を聞いて教室はまたざわめき始めた。



岩城先生、リュウ、私、陽介君の4人をのぞいて。





「リュウの父ちゃんカッケェなー!!」

「てか教頭とかすごくない!?」

「俺もあんな父ちゃんがよかったなぁー。」



ざわめき続けるクラスとは裏腹に、私の頭は一気に血の気が引いていく。




強い視線をにリュウぶつける岩城先生と、ただ呆然と岩城先生を見つめるリュウを真っ白になった頭で見ていた。





本当に…岩城先生がリュウの父親なの?


どうして、こんな形で再会しなくちゃいけなかったの…?





ただぼんやりとわかるのは、2人の間に出来ている大きな溝。




お互いを見つめる眼差しは明らかに家族を見る目ではなかった。
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