チューリップ
「………お前が謝る必要なんかないだろう…。
俺がお前を傷つけた…。
一生消えない傷を付けたんだ…。
本当に悪かった。」
しばらくして聞こえる岩城先生の声。
もう、謝罪なんてリュウには必要ないよ。
ねぇ?リュウ?
「あーーーー!!!もう!!
謝んなって!!
でもようやく、ちゃんと今を生きれる気がする。」
リュウ、すごいよ。
あなたはすべてを1人で乗り越えたんだね。
本当に、よかった…
「梨華。
いるのはバレてっから。
陽介も。」
へ…?
「あらら、やっぱり?」
そう言って塀から顔を出す陽介君。
「やっぱりじゃねぇだろ。わざと気づかせたくせに。
てか梨華いつまで隠れてんだよ。」
私もゆっくりリュウたちに顔を見せる。
「ありがとな。梨華。」
涙でリュウの笑顔がぼやけちゃう。
けど、その笑顔が今までの何倍も綺麗だった。
リュウにはたった一言で
こんなにも心を暖めさせられる。
リュウ、ありがとう。
私はやっぱりあなたが恋しくてたまらないみたい。
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