チューリップ
「やべぇ。」
「ホントやばいよ!?」
「これはやばいねー。」
うん、これはやばすぎる。
「リュウ…。」
梨華なんか涙ためてるし。
「あのねぇ!!
テストで順位が二桁になっただけじゃない!!しかも108人中!!」
うん、まあな。
俺が親父と和解してから1ヶ月が経ち、木が完全に色づき始めたこの時期、俺たちはあるイベントを迎えていた。
そう、中間試験。
そして今日、結果が帰ってきて放課後の今教室で結果発表中。
「92位なんて…よく頑張ったねリュウ!」
「さすがリュウー!」
「梨華も陽介も誉めすぎでしょ!?」
「だってこのリュウがだよ!?」
いや、さりげ酷くねぇか?
「…まぁ確かにね。」
いやだから失礼だろ。
まぁ何はともあれ、とりあえずよかったよかった。
梨華にも喜んでもらえたし。
一石二鳥ってやつ?
ただウゼェのが…
「でもまさか陽介君が4位だなんて…!!
実は天才だったんだねぇ!!」
「さすが私の陽介!」
こいつが4位!?
やれば出来るんだろうとは思ってたけど…
「いやー、そんなことないよ。」
なにがだよ!?
しかも俺たちの前でいちゃつくんじゃねぇ。
マヂ陽介はわかんねぇわ…。
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