チューリップ



−翌日




遅い…遅すぎだろ…


ケータイを開いて時間を見る

19:23

こんな時間まで何やってるわけ?



俺はいつもの通り仕事が終わるまで梨華を教室で待ってた。


でもいつもなら6時には帰るし、それ以降になるなら必ずメールが来る。
なのに今日はなんの連絡もねぇし…。


もう何回押したかわかんないメールの問い合わせボタンをまた押す。


“新着メールはありません”





行ってみるか…。



なるべく公私混同は避けたいとか言ってた梨華のお願いで、あんまこういうことで職員室には行かないようにしてんだけど…
今回はしょうがねぇよな…。



俺はひっさびさに職員室の無駄に重い扉を開けた。




「あ、川崎君!?完全下校時刻は7時だよ?早く帰りなさい?」


扉のすぐ近くにはどっかで見たことある奴…。
あぁ、この明らかエリートって顔は確か数学の…木津?


職員室を見渡せばもう人はほとんど見られなかった。


「すんません…。
あの、美山先生どこにいますか?」


「美山先生?もうお帰りになったよ。」




…は?
マヂで?



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