チューリップ




昨日あれから帰って、電話もメールも返事が来ることはなかった。


俺なんかしたっけ?



「授業とはまるっきり普通だったけどねぇ…。」

いや珍しい以前に今まで1回もなかったし…。


放課後の今、陽介はたるそうに俺の話を聞いてる。


「まぁ今日聞いてみればすべてがわかるよ。
愛想尽かされたのかもねー。」


…こいつ…
完全に俺で遊んでる…。




「お待たせー!!」

「あ、お疲れ様。」



仕事を終えた及川が教室には入ってくる。

いつもなら梨華と2人で来る…のに今日も1人。


「梨華は?」

「なんか先に行ってくれって言われたの。
多分もうすぐ来るんじゃないかな…?」



本当に…来るのか…?

黙る俺に陽介もさすがに心配そうな顔をする。


「…なんか…あったの?」


…及川もなんも知らねぇのか。





その後俺は陽介達と分かれて職員室へ向かうことにした。
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