チューリップ




「リュウ、帰らない?」

放課後、陽介と及川は気まずそうに俺に言った。


2人も梨華と距離を置かれてるらしい。



「あぁ、先帰って。」


「でも、今はもう待ってても仕方ないんじゃない?
今は…どうしようもないよ。
きっと時間が必要なんだよ。」


ぶっきらぼうに答えた俺に不安げに及川は俺の顔を見てる。



「わかってる。別に期待してるわけじゃない。

ただ、俺は変わりたくねぇだけ。
梨華が変わったんだとしても、俺は少しも気持ちは変わってねぇから。」



2人に精一杯の笑顔を見せる。


「リュウ…。」

「ダセェのはわかってるんだけどな。」


「ダサくなんかないよ!!

むちゃくちゃかっこいいよ。」





本当にかっこよくなんかねぇんだ。


気がついたら


俺は梨華なしじゃ生きられなくなってた。




ただそれだけなんだよ。




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