チューリップ





なんか…

何かがおかしい…。


でも何かが

俺の頭の中でつながりだしてる。





この傷が昨日の奴につけられたとして

何で梨華はあいつと一緒だった?



梨華が自らあいつといたのか?




もし、
違うとしたら…




「後ろの3人!席について!」



もし、
一緒にいなければならなかったんだとしたら



「リュウ!聞いてる!?

…リュウ?」




俺は梨華の言葉を無視して教室の前へ向かう。



久々にまじまじと見る梨華は、傷のせいかどことなく寂しげだった。




くそ…

何で気づかなかった…



俺は梨華の手首を握って教室を出ようと歩き出す。



「どこ行くの!?リュウ…?」







ごめん、ごめんな梨華







気づかなくて

またお前に守らせて

お前を傷つけて



ごめん。






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